2026年後半読書日記
【2026 年後半】 ◎7月7日『スリー・キングス』(映画) ◎2026年7月5日『マーニー』(映画) ◎2026年7月4日『たったひとつの雪のかけら』ウン・ヒギョン ◎7月7日『スリー・キングス』(映画) ☆☆☆☆☆戦場の兵士、反乱軍、難民の視点で戦争の意味を問う この映画が製作されたのは 1999 年で、アフガン戦争やイラク戦争以前、さらに言えば 9.11 同時多発テロよりも前の映画である。 戦争の舞台は父ブッシュ政権時代の湾岸戦争( 1990 年)で、イラクのフセイン政権がクウェートを侵攻したのに対してアメリカが多国籍軍を組織してイラクに攻め込んだ。 映画はすでに戦争がほぼ終結して停戦合意ができた時点で、米軍の部隊は弛緩した雰囲気にある。そこにたまたま見つかった地図で、クウェートからフセインが略奪した金塊を探しに出かけた兵士たちの物語である。 宝探しの物語というよりは、そこで出会う戦争難民や反乱軍、さらにはフセイン側の兵士たちとの命がけの駆け引きと対話が見ものである。アメリカの「大義」の欺瞞と、にもかかわらず空爆で殺される一般民衆たちの怒りと絶望が生々しく描かれている。 現場から見た戦争の非人間性という点では、古い映画だが『西部戦線異状なし』( 1930 年 *レビュー済み)を想起した。 コメディータッチで始まるが、宝探しから難民の救出へと話がシリアスに展開し、人道的なヒーローものに仕上がっている。主人公のジョージ・クルーニーはさすがにいい演技をしている。 ◎2026年7月5日『マーニー』(映画) ☆☆☆☆優位な立場を利用した男性の女性支配に注目 子ども時代のトラウマの記憶を封印し、犯罪を繰り返す女性と、それを知りつつも女性と結婚し、女性のトラウマを解明して救済しようとする男性を描く映画なのだが、現代的な観点で見ると違った見方もできる。 ジョーン・コネリー演じる主人公の男性は女性の犯罪を知る圧倒的に優位な立場で女性に結婚を迫り、精神分析的方法で過去を調べようとする。 これに対し、女性は弱みを握られてやむなく結婚を受け入れるが、実質的な夫婦関係は敢然と拒絶し続け、機会を見て逃げようとまでする。 この優位な立場を利用した男性の支配と、それを拒絶する女性...