2026年前半読書日記
【2026 年前半】 ◎2026年2月6日『中高年シングル女性』和田靜香 ◎2026年2月4日『過去と思索(七)』ゲルツェン ◎2026年1月28日『ルポ 過労シニア』若月澪子 ◎2026年1月27日『アフリカから来たランナーたち』泉秀一 ◎2026年1月23日『戸籍の日本史』遠藤正敬 ◎2026年1月20日『過去と思索(六)』ゲルツェン ◎2026年1月11日『西部戦線異状なし』(映画) ◎2026年1月6日『怪物』(映画) ◎2026年1月4日『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(映画) ◎2026年1月3日『統一後のドイツ』シュテッフェン・マウ ◎2026年1月1日『ファミリー・ツリー』(映画) ◎2026年1月1日『いまを生きる』(映画) ◎2026年1月1日『やさしい本泥棒』(映画) ◎2026年2月6日『中高年シングル女性』和田靜香 ☆☆☆☆☆就職氷河期と非正規雇用が女性の尊厳を奪う 先般、『ルポ 過労シニア』(若月澪子著 *レビュー済み)を読んだついでに本書も読むことにした。 『世界』に連載されたルポをまとめたものであり、著者自身の体験も踏まえ中高年シングルの現状を多角的に取材している。辛口のレビューも散見されるが、本書は体系的な学術論文ではなく雑誌連載の問題告発型ルポである。著者自身が 30 人に及ぶ取材対象者に疑問を次々とぶつけ、さらに調べて問題点を掘り下げていくスタイルで一貫していて、臨場感がありよくできている。読む者の共感能力や感受性が問われているのだ。 2020 年の国勢調査では 45 歳以上のひとり暮らしの女性は 632 万人にのぼり、今後増加していくという。 取材対象となった女性たちの多くは底辺の非正規労働で低賃金にあえいでいるが、印象的なのはバブル崩壊後の 1990 年代の就職氷河期世代の体験者が多いことだ。思うように就職ができず、あるいはブラック企業に就職したが退職し、非正規の低賃金にあえぐ。安定していると思われる公務員さえ有期雇用の「会計年度任用職員」にされ、官製ワーキングプアが大量に生まれる。そして、正規職員に転換されずに雇い止めの憂き目に遭うわけだ。 もちろん、男性労働者も同じように非正規化と貧困化が進んだのは上記の『ルポ 過労シニア』に描かれたとおりだ...