2026年後半読書日記
【2026 年後半】 ◎2026年7月18日『トパーズ』(映画) ◎2026年7月18日『少年十字軍』皆川博子 ◎2026年7月14日『歴史学は世界を変えることができるか』松沢裕作 ◎2026年7月13日『荒野のストレンジャー』(映画) ◎2026年7月9日『分断80年』徐台教 ◎2026年7月7日『スリー・キングス』(映画) ◎2026年7月5日『マーニー』(映画) ◎2026年7月4日『たったひとつの雪のかけら』ウン・ヒギョン ◎2026年7月18日『トパーズ』(映画) ☆☆☆☆キューバ危機にフランス情報部員が関与? ヒッチコックのスパイスリラーだが、時代背景は 1962 年のキューバ危機である。 冒頭、コペンハーゲンからソ連情報部高官が亡命する場面から始まるが、人混みのデパートを利用した亡命劇の演出はさすがに緊迫感がある。 亡命した高官の情報提供からキューバへのミサイル基地建設が判明し、その調査を CIA 要員の友人のフランス情報部員に依頼するのだが、このような重大任務を私的に他国情報部員に依頼するだろうか? 案の定、フランス情報部員は無断の情報活動についてフランス情報部から査問を受けることになる。 この映画では、フランス情報部内のダブルスパイ組織(これが「トパーズ」である)がキューバ危機で重要な役割を演じていたことになっており、この組織を暴くことが重要なプロットとなっているのだが、米ソ対立にフランスを1枚かませたこのプロットはフランスではどのように評価されたのだろうか。 あと、キューバの反政府活動家と愛人関係にあったフランス情報部員は、妻のほうもフランス情報部内のダブルスパイと不倫関係にあったという落ちで皮肉な解決に向かうが、これはあまりにもできすぎである。 ◎ 2026 年 7 月 18 日『少年十字軍』皆川博子 ☆☆☆☆「聖地巡礼」をめぐる大人の思惑に利用される少年たち 学生時代にフランス語の新倉俊一先生の授業で“ Croisade des enfants ”(子ども十字軍)をテキストに使っていたが、とても叙情的で悲哀に満ちた物語だった。本書の参考文献として掲げてあるマルセル・シュオブの「小児十字軍」だったと思う。 少年十字軍はたんなる物語ではなく...