2026年前半読書日記
【2026 年前半】 ◎2026年2月17日『戦争の美術史』宮下規久朗 ◎2026年2月10日『江戸の刑事司法』和仁かや ◎2026年2月6日『中高年シングル女性』和田靜香 ◎2026年2月4日『過去と思索(七)』ゲルツェン ◎2026年1月28日『ルポ 過労シニア』若月澪子 ◎2026年1月27日『アフリカから来たランナーたち』泉秀一 ◎2026年1月23日『戸籍の日本史』遠藤正敬 ◎2026年1月20日『過去と思索(六)』ゲルツェン ◎2026年1月11日『西部戦線異状なし』(映画) ◎2026年1月6日『怪物』(映画) ◎2026年1月4日『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(映画) ◎2026年1月3日『統一後のドイツ』シュテッフェン・マウ ◎2026年1月1日『ファミリー・ツリー』(映画) ◎2026年1月1日『いまを生きる』(映画) ◎2026年1月1日『やさしい本泥棒』(映画) ◎2026年2月17日『戦争の美術史』宮下規久朗 ☆☆☆☆☆英雄の顕彰から犠牲者の追悼へ 画像はタブレットで見るのがお勧め 著者の『カラヴァッジョへの旅』、『カラヴァッジョ《聖マタイの召命》』(*レビュー済み)を読んで感動し、ローマ、ナポリ、マルタへとカラヴァッジョ作品の巡礼の旅までしたが、本書は古今東西の「戦争の美術史」であり、コンパクトな新書版ながら膨大な作品が網羅されている。ただし、添付された画像はカラーとはいえ大作の戦争画が縮小されているため、タブレットで電子版の画像を拡大することをお勧めする。 「はじめに」で著者は、戦争美術の性格を①記録、②戦勝記念、③反戦・平和の訴え、④追悼、⑤芸術性の追求の 5 つに分類するが、「どれほど戦争の真実に迫っているか、そしていかに訴える力をもっているかによって作品の価値は決まる」という。 第Ⅰ章の「古代からルネサンスまで」は、やはり②の国家の戦勝記念、英雄の顕彰という性格が強い。依頼者が王侯貴族だから当然である。 戦争の惨禍が描かれ、反戦・平和の訴えが登場するのは 17 世紀、ルーベンスとカロからだと著者はいう。ルーベンスは神話的な寓意で、カロは後のゴヤの版画のような凄惨な殺戮を描いた。教会美術の受難と殉教のモチーフが戦争の惨禍の画像に転用されたという指摘は興味深い...