2026年前半読書日記
【2026 年前半】 ◎2026年2月4日『過去と思索(七)』ゲルツェン ◎2026年1月28日『ルポ 過労シニア』若月澪子 ◎2026年1月27日『アフリカから来たランナーたち』泉秀一 ◎2026年1月23日『戸籍の日本史』遠藤正敬 ◎2026年1月20日『過去と思索(六)』ゲルツェン ◎2026年1月11日『西部戦線異状なし』(映画) ◎2026年1月6日『怪物』(映画) ◎2026年1月4日『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(映画) ◎2026年1月3日『統一後のドイツ』シュテッフェン・マウ ◎2026年1月1日『ファミリー・ツリー』(映画) ◎2026年1月1日『いまを生きる』(映画) ◎2026年1月1日『やさしい本泥棒』(映画) ◎2026年2月4日『過去と思索(七)』ゲルツェン ☆☆☆☆革命の挫折への幻滅と放浪の日々 最終巻の前半、第7部はゲルツェンのロンドンでの「自由ロシア印刷所」を基点とする活動が前巻を受けて綴られており、後半の第8部は「断章」としてそれまで発表された随想が掲載されている。 前巻ではゲルツェンと若いロシアの活動家の思想的乖離が描かれていたが、巻末のゲルツェンの伝記によると、出自においても精神においても「貴族」であったゲルツェンは、 1860 年代の非貴族出身のインテリゲンチャからは時代遅れとみなされていたようだ。 革命運動の挫折に対し、ゲルツェンは、ニコライ皇帝の弾圧によってイエズス会士に転向したペチェーリンとの往復書簡で、「現代の生活の憂鬱──それは黄昏の憂鬱、過渡期の予感の憂鬱です」と書いているが、ロシアの革命運動への希望も記している。 「新しいロシアにおける革命運動について語るにあたり、わたしは、ピョートル一世以後のロシアの歴史は貴族と政府の歴史であると、すでに申しました。貴族階級には革命の酵素がありました。」 「次第に新しい何かが成長して行きました。それはゴーゴリによって歪められ、汎スラヴ主義者たちによって誇張されてはいますが、この新しい要素は民衆の力への信念という要素であり、愛に貫かれた要素です。・・・われわれはロシアの民衆に挨拶を送り、未来の世界が彼らのものであることを言い当てただけで十分です。」 このようにゲルツェンはロシアの民衆に希望を寄...