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2025年前半読書日記

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  【2025 年前半】 ◎2025年1月27日『女性たちの韓国近現代史』崔誠姫 ◎2025年1月22日『スパルタ 古代ギリシアの神話と実像』長谷川岳男 ◎2025年1月20日『ベートーヴェン《第九》の世界』小宮正安 ◎2025年1月17日『新訳 モンテ・クリスト伯 5』アレクサンドル・デュマ ◎2025年1月15日『新訳 モンテ・クリスト伯 4』アレクサンドル・デュマ ◎2025年1月13日『新訳 モンテ・クリスト伯 3』アレクサンドル・デュマ ◎2025年1月9日『新訳 モンテ・クリスト伯 2』アレクサンドル・デュマ ◎2025年1月5日『新訳 モンテ・クリスト伯 1』アレクサンドル・デュマ ◎2025年1月2日『一場の夢と消え』松井今朝子   ◎2025年1月27日『女性たちの韓国近現代史』崔誠姫 ☆☆☆☆韓国近現代史を女性史の観点で概観する 日韓関係とも深い関わり 朝鮮王朝(李氏朝鮮)の 19 世紀末の開国時代から、現代までの韓国・北朝鮮近現代史を女性史の観点で概観している。 その間には日本の植民地時代を含む日本と朝鮮半島の深い関わりも触れられており、現在のこじれた日韓関係、日朝関係を歴史的背景から考察する手がかりとなる。   韓流ドラマや時代劇を見ると、颯爽としたヒロインが男性と肩を並べて華々しく活躍しているが、実際には女性の社会的地位は低く、女子教育も大幅に出遅れていた。女子教育は西洋の宣教師らによって始められ、女子向けの近代学校の先駆の梨花学堂は現在の梨花女子大学の前身とのこと。 日本の植民地時代や戦後の混乱期、南北分断国家と朝鮮戦争、軍事独裁政権時代と朝鮮近現代史はまさに苦難と激動の時代だが、先駆的な女性の社会活動から独裁政権への抵抗運動まで韓国の女性たちが徐々に社会的地位を高めてきたことがよくわかる。 他方、混乱と激動の歴史の過程で、日本への移住だけでなく中国東北部(間島)やドイツへの出稼ぎ・移住した人も多く、その家族として多くの女性が移住しており、それがグローバルな展開の色彩を朝鮮近現代史と女性史に与えていることも興味深い。   韓国女性運動の成果を付記すると、 1987 年 12 月に「男女雇用平等法」が制定され、 2001 年には政府内に女性部(現「女性家族部」)が設置されたが、保守勢力の批判を受け、現在...